声優さんと打ち合わせが終わりました。
えーと、音声頂けるまで期間があるのでその間に別の企画を進めつつ、
それだけだと閑古鳥が鳴きそうなので何か文章コンテンツを書こうかな、と。
『演出向けの文章』というテーマでなんかひとり語りでもしようかなと思ってます。
最近、スクリプターさんが増えてきたので
催眠の知識ではないけど、過去に経験を活かして自分の中で組み立てた理論で
少しでも他の人の参考や意見交換が盛んになれば、と。
ひいては意見なんかも頂ければ、自分の知識益にしt(r
「これ間違ってるよ!」「こんな考え方もあるよっ!」などがあれば
是非コメントやメールなどでお送り頂ければっ。
重ねて断っておきますが、「催眠の知識ではありません」。
シナリオを書くする上で演出の勉学で得た知識と経験を自分なりに拡張したものです。
ただ、舞台なりドラマなりのどんなシナリオを書く仕事においても
「見る人聞く人を感動(トランス)させる」というバックボーンで成り立っています。
これには催眠にも拡張できそうなトピックが多く含まれているので参考になれば、と。
あ、自分は頭の中で考えを組み立てる事はできても、人に説明するのはあんまり得意ではないです。
所々「人に見せるための文章ではない書き方」となっていて、けっこう大雑把かもしてません。
そんな所もありますが、管理人の四苦八苦をお楽しみ下さい。
今回は「メッセージのスイッチ化」というのを語ってみます。
これは何かと言うと…
『メッセージ(相手に与える言葉や文章)のアウトプットを
抽象化した表現(スイッチ)で呼び出すという手法』
というものです。
皆さん、唐突ですが
「信号」
「赤い」
と聞いて何が思い浮かぶでしょうか?
目線を下に降ろしながら考えてみてください。
もうちょっと考えて。
もうちょっとだけー。
はい、OKです。
たぶん、皆さんの頭の中には
「渡ってはいけない」
「危険」
というものが思いついたと思います。
皆さんは過去に親御さんか、学校か、はたまた教習所かで習った
『赤の信号は車が来て危ないから渡ってはいけない』という過去の教えを思い出し、
「信号」「赤い」という単語の組み合わせに対して
「渡ってはいけない」「危険」という意図を読み取り、解釈した訳です。
この例の場合、話し手が伝えたい「アウトプット」(期待する結果)
(ここでは「渡ってはいけない」「危険」という要点)を
「信号」「赤い」という単語にスイッチ化(抽象化)したという事です。
「なんで、そんな期待する結果をスイッチなんて抽象的なモノにするの?逆に分かりづらいんじゃね?」と
思った方いますか?たぶん、たぶんいますよね?
この手法、実は元々、聞き手に「未知の情報を伝える」のではなく、
「既知の記憶を引き出す」というのに特化した手法なのです。
しかし、普通に苦労して起承転結の綺麗なメッセージに取り纏めて伝えるよりも、
相手を説得したり、誘導する効果がピカイチです。
その理由とは以下です。
①読み込みが速い
人間は外から得た情報を理解するよりも、脳に記憶している情報を引き出す方が速いです。
これは外部から得た情報を「判断する」作業を端折る事ができるからです。
読み込みが速くないと、話しの展開についていけない。
音声コンテンツの場合は再生停止でもしない限り進行を止められないので、これは重要。
また、シナリオの流れやリズムの主導権を握る事もできます。
②抵抗を受けない
他人の旨い話しなら警戒してしまいますが、自分で引き出した記憶なら無問題。
自分にとって益になる事だからこそ記憶している、という脳内フィルターの大前提がある訳ですから。
ちなみにこれは「話し手の情報を聞き手が受け入れる」のではなく
「話し手をキッカケに、聞き手が過去に受け入れた情報を記憶から引き出している」に過ぎないという事です。
聞き手が「記憶を引き出す」という姿勢になれば、能動性を引き出す効果が期待できます。
③使い回しできる
アウトプットを脳の記憶として保持しているので、その記憶を失わない限り何回でも
スイッチを介して引き出す事ができます。
単純に外部からメッセージをそのまま伝えるだけだと、特別「覚える」という事をやらない限り、
放っておけば忘れてしまうでしょう。
④手間がない
相手に理解させたい「アウトプット」を準備する必要がないです。
相手の頭にある「記憶の金庫」から「スイッチ」の鍵を使って、
「アウトプット」をお借りすればいいだけですので。
(ここでは「渡ってはいけない」事を0から教える必要がない、という事)
スイッチは比喩表現や例え話、オノマトペなど多種多様を使う事ができます。
また、それによりアウトプットを解釈させるために必要なメッセージは少なくて済みます。
書く文章が少なくていい!(地味に嬉しい
文章が少ないとその分繰り返すのが楽なので、取り回しや畳み掛けがし易いです。
文章的な美しさを考えないのであれば、究極に扱い易いアプローチとも言えるでしょう。
もちろん、この方法は「スイッチ」と「アウトプット」を結びつける
「リンク」(繋がり)がないと効力を発揮できません。
(この例の場合は『赤の信号は車が来て危ないから渡ってはいけない』という刷り込み)
しかし、裏を返せば「相手の記憶や常識さえ把握していれば、全部こちらの武器になる」という事です。
これはズルい、もはやオール武器解除チートです。
催眠のスクリプトや感動的なドラマのシナリオなどは「スイッチ」と一緒に
「アウトプット」と「リンク」も一緒に埋め込んでいる場合が多いです。
おいおい、武器を自分で作る事もできるなんて…なんという錬金術。
『貴方はカウントがゼロになるとイッてしまう』
というセリフなら。
スイッチ: …ゼロ
リンク : …カウントがゼロ=イッてしまう
アウトプット : …イッてしまう
という感じでしょうか。
この三種の神器を聞き手に摺り込んで、10から順番にカウントダウンすれば
相手の期待感がゼロで爆発して、絶頂してしまうのも仕方がないですよね。そうでしy(r
でも指パッチンも捨てがたいなー。
次回は「アウトプット」と「リンク」の刷り込み方について語ろうと思います。
モチベが保てていればぁぁっの話しですが、、、
ああ、でも音声来たら後回しになるんだろうなぁぁ
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- 2011/09/15(木) 23:56:36|
- 考察
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どうも、管理人です。
>>はじめまして、台湾のDKSです。
>>面白い発想ですね。相手の常識を使えるのは便利です。
コメント有難う御座います。
こんな独り言にご興味を持って頂けるとはうれしいです、、、ッ!
>>
>>でも”相手の記憶や常識を把握している”と言うことは凄い難しいじゃないですか?
>>兄弟、姉妹ならともかく、赤の他人なら記憶は判らないし、たとえ”常識”と言っても個人差はあると思います。
>>例えば、私は”信号”、”赤い”を見ても”止まる”を思いつきますが、”危険”は思いつきません。
ご指摘の通りです。
「赤の他人なら記憶は判らない」というのが、「音声でやる誘導」の難しさだと思います。
通常の舞台演劇やカウンセリングのような「対面での誘導」なら相手の反応を確認して、反応が悪いようであれば
アプローチをその場で変える事ができるので、相手の記憶の内を探りながら臨機応変に対応できます。
しかし、「収録音声」だとそうは行きません。
相手の反応は見ることはできないし、書いた台本からそれ以上の事はできません。
究極に融通の効かないパフォーマ、施術師と言えるでしょう。
自分も「相手の期待すること」「相手の頭の中にあること」を意識しながら、
台本を書きますが、全てが全て相手に命中する訳ではありません。
ですが「赤の他人なら記憶は判らない」なら、こちらからのアプローチの内容を
「絶対相手の頭にあるレベルの常識」になるまで単純な内容にしてしまえば良いと思います。
・”信号”、”赤い”=”危険”
というが思いつかないと事ですが、
・「人間は呼吸しないと生きていけないですよね?」
という問いかけられたら、その問いには「YES」と答えるしかないですよね?
>>・”信号”、”赤い”=”危険”
の連想ゲームよりかなり「単純」かつ「直接的な表現」になりましたが、
「相手の記憶を引き出す」という考えなら、このアプローチも十分に効果があると思われます。
誘導の切り口は「絶対に誰にでも当てはまる事」という大きな入り口が望ましいと言えます。
その分、聞く人の同意や理解が得やすく、誘導がスムーズに進むでしょう。
しかしその分、その入口から「台本の本来の道筋」まで誘導するにはそれなりの手間と時間が掛かるでしょう。
どちらを取るかは、台本を考える人間のセンスと技術次第と思います。
>>ならこの催眠を私に使ったらどうなる?
どのような反応になるのかは、アプローチと聞き手の組み合わせ次第でしょう。
DKSさんの人格や性格は分からないので、「どうなるかわかりません」と言うしかありません。。。
- 2011/09/24(土) 01:57:25 |
- URL |
- さらみ(依頼音声が来るまで暇な管理人) #-
- [ 編集 ]
はじめまして、台湾のDKSです。
面白い発想ですね。相手の常識を使えるのは便利です。
でも”相手の記憶や常識を把握している”と言うことは凄い難しいじゃないですか?
兄弟、姉妹ならともかく、赤の他人なら記憶は判らないし、たとえ”常識”と言っても個人差はあると思います。
例えば、私は”信号”、”赤い”を見ても”止まる”を思いつきますが、”危険”は思いつきません。
ならこの催眠を私に使ったらどうなる?
- 2011/09/23(金) 23:07:11 |
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- DKS #-
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